世界最高のチーム ~ グーグル流「最小の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 ~
世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法
- 作者: ピョートル・フェリクス・グジバチ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/08/20
- メディア: 単行本
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本のタイトルには「最小の人数で最大の成果を生み出す方法」と書かれていたので、今のチーム運営で何かヒントになるかと思い読んでみました。参考にしたいことをメモして読み返したいと思います。
第1章 世界共通のチームづくりのルールとは
抜きん出た成果を上げるには、多様性に富んだ「集合知」が不可欠
- グーグルの一番の魅力は「チームを大事にするところ」
- 個人の能力が高いGoogleにおいても、多様性(ダイバーシティ)にと集合知が必要
- チームをまとめるマネジャーの役割が非常に大事になってきているのは、Googleでも変わらない。
- マネジャーの役割(仕事)はチームを支えることにある
- 個人の能力が高いGoogleにおいても、参加するチームによって成果が出せたり、出せなかったりする事がある。その原因を調査したところ、マネジャーの言動がチームのパフォーマンスに最も影響していることが判明した。
優秀なマネジャーの8つの特徴
- プロジェクト・オキシジェンの調査・分析によって、パフォーマンスの高いチームのマネジャーの特性が判明した(以下8項目)。
本書では「メンバー」と記載されていましたが、ピンとこないので「部下」へ置換してます
- 良いコーチである
- チームを勢いづけて、マイクロマネジメントはしない
- 部下が健康に過ごすこと、成果を上げることに強い関心を持っている
- 生産的で成果主義である
- 良き聞き手であり、部下と活発にコミュニケーションをとる
- 部下のキャリア形成を手助けしている
- チームのためのはっきりとしたビジョンや戦略を持っている
- 部下にアドバイスできる専門的技術・知識を持っている
一番大事なのは 「1.良いコーチであること」 で、コーチングができないと、他の項目ができていたとしてもチームのパフォーマンスを上げることはできないとされている。質問や応答を通じて、 本人に自分がやっている仕事について自己認識させることがコーチングの目的 。コーチが行う基本的な質問として、下記 「GROW」 が紹介されている。
G(Goal):目標、目的、成果、結果、期限
- あなたが望んでいることは何ですか?
- あなたが目指していることは何ですか?
- 興味があることは何ですか?
- 何をもって成功したと言えますか?
- それはあなたにとってどれくらい重要ですか?
R(Reality):現実、現状、現在地
- 今どれくらいまで進んでいますか?
- あなたの同僚は状況をどう捉えていますか?
- どんな壁に直面していますか?
- いま、どんなリソース(資源)があれば目標に届きそうですか?
O(Option):行動計画、選択肢、代替戦略
- もし、いま直面している壁がなかったとしたら、どう行動しますか?
- あながたもっとも信頼・尊敬している人が同じ状況に直面したら、どう行動しますか?
- 目標達成に必要なスキルをこれから鍛えるとしたら、まず何をすることができますか?
W(Will):意欲、決意、覚悟
- 今日からどうしますか?
- 1から10でいうと、どの位のレベルであなたはコミットしていますか?
- いつから始めますか?
- 乗り越えるべき壁はなんですか?どうやって乗り越えますか?
このGROWモデルについて調べてみると、 順番通り(G⇒R⇒O⇒W)に進めるのが重要なようです。 最初にGoalで目標を明確化し、 Realityで現状把握をしてギャップ分析など行い、 Optionで3つ以上の選択肢を出し、今後の行動計画を考えさせ、 Willで実行する責任感を持たせるようにコーチングで導くのだと。
これを書いてて思ったのは、いたって普通のことですよね。
実行するのは難しいですが。(今の部署を想定して考えてみるとこんな感じかな)
* 現在担当している○○プロジェクトの目標・ゴールは何だと思いますか?
* ○○プロジェクトであなたの役割は何ですか?理解してますか?
* その目標に対して、現在の状況を説明してください(ギャップ分析)
* 現状の課題があれば教えてください。
* 目標を達成するために必要なリソース(人・モノ・金・情報)は何ですか?
* これからやらなければいけないことを洗い出して行動計画を立てましょう。
* いつまでに実行・達成しますか(コミット)?
* 何から取り組み始めますか?
会社のチームは、スポーツチームに似ている
- Googleの定義だと、チームというのは単に一緒に仕事をしている集団ではなく、意図的・戦略的に、長期的に一緒に動いている集団のこと。一緒にプランニングして一緒に問題解決して、定期的に自分たちの仕事を振り返って反省していくような集団のことであり、スポーツチームに似ている。
- Googleでは生産性ではなく、エフェクティブネス(有効性)という言葉がよくつかわれるが、要はどちらもアウトプット(成果)のこと。
- 「成果」というとき、その前提は「経営のトップレベルから見た評価」ということ。
- 経営のトップレベルが求めている成果をこのチームが出しているかどうかによって、チームの生産性が評価される。
よいチームには「心理的安全性」が欠かせない
- 生産性の高いチームの特性は下記5つで、チーム作りにとって根本的に大事なことというのがプロジェクト・アリストテレスの結論。
- チームの「心理的安全性」が高いこと
- チームに対する「信頼性」が高いこと
- チームの「構造」が「明瞭」であること
- チームの仕事に「意味」を見出していること
- チームの仕事が社会に対して「影響」をもたらすと考えていること
「信頼性」とは、例えば「このチームは決めた時間内に高い成果をあげられる」と信じていること。だそうです。チームメンバー同士が信頼しあえることも含んで良いと思います。
- 一番大事なのは「心理的安全性」であり、安心してなんでも言い合えるチームであることが土台になる。
- メンバー一人ひとりが安心して、自分らしく働ける場、自己認識・自己開示・自己表現できる場を作ることが、マネジャーの大切な役割である。
世界共通のチームづくりのルール
- Googleでは統計学的な調査結果を全社員にシェアしていて、それに基づいて人材育成プログラムが世界共通で動いている。
- 日本だからここがいる、アメリカだからここがいらない、といった取捨選択は一切ない。大きなチームだからできるとか、小さなチームだからできないなどといった偏見もない。
- Googleでは「心理的安全性」を高めるために「1 on 1」で1時間/週の個人面談を実施している。
- 「1 on 1」は技術者でも営業でも経理でもどのチームでも実施している。
- 日本の飲みにケーションも心理的安全性を高める効果が高いと考えている。(若い人には敬遠されますが)
GEもメルカリも、「心理的安全性の高い会社」を目指している
- GEはこれまで人材評価ツールの9ブロックなど開発して社員を順位付けするなどしてきたが廃止している。その理由として心理的安全性が損なわれるから。
- メルカリでは下記3つの価値観を大切にしていて、組織運営の前提には性善説がある。
- Go Bold(大胆にやろう)
- All for One(すべては成功のために)
- Be Professional(プロフェッショナルであれ)
第2章 「愚痴」も「もめごと」もチームにとってよいこと
価値観ベースの会話が心理的安全性を高めてくれる
- Googleではマネジャーが進行役になって「ライフ・ジャーニー」というセッションを行っている。
- A3用紙に自分がどんな人生を歩んできたのかを、ターニングポイントにおける「①行動、②その意図、③味わった感情」が分かるように、できるだけ具体的に書いてもらう。書式は自由。書き終わったら4分程度で皆に説明してもらい、それをもとにディスカッションする。これは、ファクト(事実)ベースではなく「価値観ベース」「信念ベース」の会話になるので、心理的安全性を高める効果がある。
- どんな人であっても「目の前にいる人はいい人」と考え承認することなしに、心理的安全性を高めることはできない。
- 「無条件の肯定的関心」(Unconditional positive regard)が大前提。
- まずメンバーの一人ひとりをそのまま人として承認することが大事で、それがなければ1on1でどんなにいい質問をしても、メンバーは決して心を開かない。承認とは「自分を見ていてくれる」と相手が感じるということ。
「ワン・オン・ワン」ミーティングはメンバーの時間
- Googleでは1on1はマネジャーの時間ではなくメンバーの時間と考える。
- 基本的にメンバーの話をしたいことを話してもらう。
- 仕事のタスク進捗ではなく、プライベートな相談にのっているマネジャーの方が成果を上げている。何かプライベートで問題を抱えていると仕事どころではなくなりパフォーマンスが下がる原因となるため。
- プライベートな問題をマネジャーに話せるということは、心理的安全性がかなり高い状態であることが分かる。
- 1on1は決してタスクを管理するための打合せではない。
- プライベートな相談は聞いてあげるだけでよい。また、次回の1on1などで様子を聞いてあげるなどのフォローをすることが重要。
「愚痴」が出たら会話のキャッチボールを始める
- チーム作りで大事なのは「建設的」な態度・言葉遣い。
- メンバーの愚痴は建設的な要望にして言い返すと効果的。
- 責めたり問い詰めたりしているような言い方にならないように気を付けること。
- 速いペースで次々と話しかけるのはNG。心理的圧迫感が感じてしまう。
- 愚痴を言っているメンバーは改善したい気持ちが強いので、その愚痴を聞いてあげて、建設的な「提案」まで昇華させる事が大事。
- 愚痴はチャンス
- 「じゃあ、一緒にやろうよ」という前向きな提案に変わるまで会話を続ける。そして、最後に「よく言ってくれたね、ありがとう」といった感謝の言葉で締めくくる。
会話を通じて、チームメンバーの選択肢を増やしてあげる
「自分の弱み」を積極的に開示できるマネジャーは強い
- マネジャー自身がメンバーになんでも話せるような状態でなければ、心理的安全性が高いチームとは言えない。
- 優秀なマネジャーの共通点は「腰が低い」ということ。
- 腰の低さ、つまりは謙虚さはリーダーシップの土台である。
- チームのメンバーとマネジャーの関係は「仲間」である。
- 完璧に振る舞おうとするマネジャーは仲間にはなれない。
もめごとは、チームの生産性を上げる絶好の機会
- 思考の多様性があって言いたいことを言い合えるチームであればあるほど、意見の対立などがたびたびあるもの。
- もめごとが起こる方がチームにとって良い事。ただし、感情的ではなく建設的な対話になるようマネジャーがファシリテーションすることが大事。
- もめごとはメンバーの成長の機会であると同時に、チームの生産性を向上させる絶好の機会になる。
- もめている2人を仲裁する手法
- まずお互いの言い分を十分に話してもらう。
- 「AさんがBさんにして欲しいのは○○ですね。BさんがAさんにして欲しい事は××ですね」と確認。
- Aさんに、「Bさんは何をして欲しいと言ってましたか?」と復唱してもらう。
- 同じくBさんに「Aさんは何をした欲しいと言ってましたが?」と復唱してもらう。
- 自分に対する相手の要望をお互いに認識できると、感情的な衝突が途端に和らぐ。
- マネジャーがやるべき仲裁とは、解決策を提示することではなくて、当事者の言い分を穏やかに聞き出すということ。⇒ 「承認のエクササイズ」
- 感情的な衝突を解消するには、マネジャーが本人の気づきを促して、いかに建設的な選択肢を増やしてあげるかということが大切。
第3章 チームのパフォーマンスを向上させる「良質な会話」
チームのパフォーマンスを上げるには、雑談が大事
- マネジャーの仕事はチームメンバーが「また明日も仕事をしたい」と思ってくれるように、個人個人と接することに尽きる。
- 一番大事なのは「良質な会話を積み重ねる」こと。
良い雑談を引き出す7つの質問の著者の例。※「価値観」にまつわる質問が大事。
- 「あたなは仕事を通じて何を得たいですか?」
⇒「プロとしてキャリアを積んでいきたいです」 - 「それはなぜ必要ですか?」
⇒「娘もいるし、もっと給料が欲しい。だからもっと頑張って成長したい」
「なぜ成長することが大切なんですか?」
⇒「娘のために、もうちょっとかっこいいお父さんになりたいからです」
「じゃ、あなたは娘さんのため働いているんですね」 - 「何をもっていい仕事をしたと言えますか?」
⇒「家に帰ってニコニコしていられるときには、仕事もうまくいっていますね」
1.「なぜ、いまの仕事を選んだのですか?」
⇒「あんまり深く考えずに、新卒ではいりました」
「なぜ、いまま続けられているんですか?」
⇒「やってみると楽しかったからです」 - 「去年と今年の仕事はどういうふうにつながっていますか?」
⇒「去年はいろいろ頑張って、今年はその成果がちょっとでてきています」 - 「あなたの一番の強みはなんですか?」
⇒「いま話してみて、私の強みは頑張ること、努力だと思いました」 - 「あなたは、いまどんなサポートが必要ですか?」
⇒「やっぱり成長したいから、もっと大きいプロジェクトを任せてほしいですね」
- 「あたなは仕事を通じて何を得たいですか?」
①「仕事を通じて何を得たいか」と②「なぜ必要か」というのは「価値観」や「信念」。
③「何をもっていい仕事と言えるか」と④「いまの仕事をなぜ選んだか」は「基準」や「モチベーション」。
⑤「去年と今年の仕事のつながり」は、本人が「成長」に気づくための質問。プラスの事を言えない場合もあるが、目的はあくまでも「過去の自分とは変わっている現在の自分」に気づかせること。なので、無理に質問を重ねる必要なない。
⑥「強み」と⑦「サポート」はマネジメントのために必須の情報。人事異動のような会社レベルの判断にも役に立つ。
- 質問には「人生を変える質問」と「人生を無駄にする質問」があり、業務の進捗を確認するファクトベースの質問は「人生を無駄にする」質問。それよりも、本人が自分のモチベーションや信念、アイデンティティ、判断基準といったことに気づく価値観ベースの質問(人生を変える質問)が大事。
- 価値観ベースの質問をされること自体に、自分が承認されていると感じ、自分の答えをちゃんと聞いてくれていること自体に、自己開示してよかったと感じる。そして、自己開示による会話を通じて、もっと深い自己認識ができたと感じる。それを繰り返しているうちに、組織の中で上手に自己表現ができるようになっていく。
感謝の気持ちがチームの生産性を上げてくれる
- 自己認識することは大事なことで、自己認識、自己開示、自己表現のステップの先に「自己実現」がある。
- 自己実現できれば自身(自己効力感)を得ることができ、自己認識が向上する。
- 自分がどんな人間で、何をしたいのかがハッキリして初めて、自己実現に向けたスタートラインに立てる。
- 人生で一番感謝していることについて話してもらうと、自己認識を深めることができる。
- 人生のターニングポイントについて話してもらう。
チームのパフォーマンスに影響する、世界共通の変化
- マネジャーが最低限やること
- チームのミッション(ビジョンと戦略)をちゃんと決めること
- そのミッションに向かっていくプロセスを管理する事
- メンバーを育成すること
- 世界共通の変化
- モノづくりの世界から、仕組みづくりの世界へ
- 強欲な会社から、社会貢献の会社へ
- 仕事の進め方はクローズドからオープンへ
- 管理の仕方はKPIからOKRへ
- ピラミッド型の組織からツリー型の組織へ
- 計画主義から学習主義へ
- プレイングマネジャーからポートフォリオマネジャーへ
- 従業員への接し方は鵜匠型から羊飼い型へ
自律的なパフォーマンスを引き出すのが、マネジャーの役割
- マネジャーはチームメンバーのパフォーマンスを最大限に高めるために存在している。
- パフォーマンスは「短期的」「長期的」「随時的」の3つの時間軸に分類。
- マネジャーが自分の業務をメンバーに委譲することは、メンバーの学びの機会になる。
- 先輩は後輩ができたら仕事を委譲させることで、お互いの学びの機会を増やす。
「フロー状態」を増やせば、生産性は上がる
- フロー理論:チャレンジとスキルが釣り合う状況で、物事に没頭する体験や状態に関する理論
- フロー状態は、普通は8時間働く中でわずは30分程度と言われている。その状態が1時間半に伸びると生産性が2倍になるとの研究結果がある。
- 心理的安全性が高くなければフロー状態は生まれない。
- マネジャーとメンバーの感情的つながりは「ラポール」が理想的。
「思考の多様性」がないと、新しいアイデアは生まれない
- 新人など若い人のアイデアをちゃんと聞いて、思考の多様性を取り入れる
- 常にメンバーの発言に耳を傾けて、それをどうチームの仕事に活かすかを考えるのがマネジャーの大事な仕事。
チームメンバーが仕事ができないのは、マネジャーのせい
- マネジャーが「マネジャーの仕事」をしていないせいでメンバーがパフォーマンスを発揮できずにいるケースが多い。(ゴールを設定してない、ゴールを達成するためのプロセスを示していない、フィードバックをしていない、などなど、)
これは耳が痛い、、、
- パフォーマンスが低いメンバーに対して「チャンスを作る」 のもマネジャーの仕事。(キャリアマネジメント)
- 自分が何をしたいのか分からない「自己認識の希薄なメンバー」に対して、何がやりたいのかを自分で考えるように自己認識を促すのもマネジャーの仕事。
- コーチングは一瞬一瞬、日々の会話の中で行われるべき(理想を言えば)
- マネジャーは、全ての人材を適材適所で最大限に活用することを考えるのが当然。(メンバーを切り捨てない)
- モチベーションは「目的(purpose)」「熟達(masterry)」「自主(autonomy)」の3つの要素がそろうと上がりやすいと言われている。
新しいアイデアを生み出す、オープンなコミュニケーション
- 愚痴やもめごとはチームにとって良い事であり、これがチームの心理的安全性や多様性である。オープンなコミュニケーションがあるからこそ、新しい価値、新しいアイデアが生まれる。
- 感情レベルの対立をきっかけにして、「何が欲しい」などのアイデアベースの会話を経験すると、感情的になりがちなメンバーの態度も、次第に建設的になってくる。
- アイデアベースの対立を増やしていけば、それに応じて感情レベルの対立は減っていく。そのためにも愚痴を含めて安心して何でも会話できるような心理的安全性を高めていくことがマネジャーの役割。
- メンバーが価値観とか信念レベルである程度同じ方向を向いていないと、建設的な会話を増やすのは難しい。価値観レベルのズレを少なくするためには、マネジャーがチームのミッション・目的を明確に示す必要がある。
第4章 〝一瞬〟で差をつける「チーム時間」の使い方
よい集合知を得るには、完璧主義ではなく、「実験主義」でなければならない
- 今日のビジネスは状況の変化が速く、誰にも正解が分からない時代。「完璧主義」は弊害であり、スピード重視が大事。まずはプロトタイプを作成して皆でディスカッションすることで「集合知」とする。(実験主義)
- チームに心理的安全性があれば、マネジャーはメンバーに対してどんどん「挑発」することができる。挑発は人の心を強く刺激し、気持ちを湧き立てさせるため、いい意味での非常識やルールからの逸脱につながる。
心理的安全性があれば、挑発だってできる
- 生産性を上げるには、常識やルールを打ち破るマインドセット(考え方の枠組み)を持つ必要がある。
「みんなこうやっているから」などのルールは「本当にそうなのか?」と挑発すればよい。
- 定例ミーティングでは、直近の業務を確認しあうだけでなく、「次の選択肢」が増えないと意味がない。
チームメンバーとの会話を通じて、自分自身をアップデートする
- マネジャーとメンバーとの会話に多くの学びがあるチームは、必然的に集合知が充実してきて、生産性も上がっていく。
話し合いで大事なのは、量よりも質
- チームミーティングで何かアウトプットが出たら終わりにするのではなく、もっとクオリティを高めるために会話を重ねるべきである。
- アウトプットの質を下げて、量を出す会議は無意味である。(1on1も同じでアジェンダをこなすだけでは意味がない)
計画主義では生産性を高められない
- Googleでは先入観や偏見を壊すことについて研修を行っている。
- 変化の激しい今日では、計画主義では生産性を高めることはできない。これからは「学習主義」「実験主義」が大事で、バイアス(先入観や偏見)をなくして考えられるようにすることが重要。
- 大事なのは成果、アウトプットであって、そこに至る筋道は一つではないので、先入観や偏見は捨てよう。(一度決めた計画に固執するのはやめよう)
計画に固執するのはチームリーダーに多い気がする。。
手法や計画が目的化してしまっていて、もともとやりたかった事を見失っているので、
定期的にフィードバックする必要があるかな。
「クリエイティブ・カオス」を目指す
- チームメンバーが成長するためには「挑発」が必要で、挑発によってクリエイティブ・カオス(創造的混沌)の状態になる。
- 新しいアイデアが生まれるとき、その前段には一見デタラメに見えるカオス状態が生じることが多い。
- カオス状態になると、メンバーはその状態から早く抜け出そうと、より集中して考えたり、アクションを起こしたりする。それが個人個人、チームの成長につながる大切な機会となる。
- クリエイティブ・カオスから抜け出すことが習慣化すると、メンバーはどんな状況でも「困った、でも、やってみよう」とか「やってみたけど、どう?」と能動的に動けるようになる。(「困った、どうしよう、、」で止まらない)
- 失敗したらどうする?などとメンバーに責任を問わないこと。
「カオス重視」と「ルーティン重視」は矛盾しない
- 仕事はルールに縛られずに自由に発想したいのでカオス重視。その他は余計なことに時間をかけたくないのでルーティン重視。服装に限らずルーティン作業は可能な限り自動化するようにしている。
- チームの生産性を高めるためには作業の自動化が不可欠
マネジャーによるコーチングは「ゲームで高得点を取る」ための教育
- コーチングはテストで100点満点を取るための教育ではなくて、ゲームで高得点(1000万点など)を獲得できるようにすること。
- 本人の頑張り次第でどこまでもパフォーマンス(成果)を高められる。
- 一緒に会話しながら考えながら、ゲームのように一瞬一瞬対応を変えながら、本人のパフォーマンスを最大限に引き出すのがコーチング。
- マネジャーの一瞬一瞬のコーチング的な働きかけは、メンバーに心理的安全性をもたらし、パフォーマンスが上がる。
「フィードバック」から「フィードフォワード」へ
マインドフルネスの状態にあれば、会話の一瞬一瞬に集中できる
- 一瞬一瞬に注意を払うことが、マインドフルネスの核心。
一瞬一瞬の働きかけが、チームの「柔軟性」を高める
- 一瞬一瞬の働きかけはチームの柔軟性を高めることにつながる。柔軟性があるというのは、さまざまな変化やアクシデントに対応できるチームということ。それを高めるのもマネジャーの大事は役割。
- フィードフォワードとフィードバックを繰り返して本人の気づきを促し成長させる。ただ、チームとして成果が上がるように明確な指示も出す。
- チームの集合知を含めた生産性を高めるには、ボトムアップとトップダウンの両方を適切に受け入れてくれるメンバーのマインドセットも不可欠。
自分の「判断基準」を前もってチームメンバーに伝える
- 単に厳しく指導するだけではメンバーが混乱するので、マネジャーは自分の判断基準を前もってメンバーに伝えておくこと。
- 判断基準を伝えておくことで、マネジャーの時間を無駄にしないようメンバーに動いてもらう。
「一瞬一瞬の学び」を続けるには「アンラーン」が必要
- ラーニング・アジリティ(Learning agility)
- いま何が起きているのか、なぜそれが起きているのか、どういうふうにもっと良い方向にもっていくのかといったことを走りながら考える。
- 何を学ぶかというだけではなく、どういうふうに学ぶかということが大事。
- 学び続けるには「アンラーン(unlearn)」時代遅れのやり方を忘れる、のも大事。
行動前、行動中、行動後。「振り返り」は3回行う
- ラーニング・アジリティでは振り返りも大事
- 「行動する前の振り返り」「行動中の振り返り」「行動したあとの振り返り」
- チームの場合プレミーティングも有効(事前に方向性を確認しておく)
チームで考えた「働きやすくなること」をどんどん実行する
- エンプロイー・エクスペリエンス(従業員の体験)に注目。
- メンバーが楽しく仕事ができる職場を作ることが大事。
働き方改革の一環として何かできるかも?
大企業の中でチームとして何かでできることがあるか?
第5章 「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法
チームメンバーの「個性」に応じて接し方を変える
- よい人間関係を築くために、内容を含めて、その人が信頼してくれるような話し方や接し方をする。
- ただし、マネジャーとメンバーとの「職務上の関係性」は、常に公平であること。
- 1on1の進め方のも個性によって変える
- 人の気持ちが分からないマネジャーにメンバーは動かせない
- 相手の「能力」と「意欲」に応じて接し方を変える。(シチュエーショナル・リーダーシップの4パターン)
- 委任する:能力も意欲も高い
- 励ます:能力が高く、意欲が低い
- 手を取る:能力が低く、意欲が高い
- 指揮する:能力も意欲も低い
1人のマネジャーに対し、チームメンバーは7人以内
そうは言っても、経営層が決めることなのでこれは無理。。。
タイプの異なる3人のチームメンバーを組み合わせる
Googleでなくてもできると言っているが、難しいかな。。