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日々思うことや、仕事のことなど書いていきます。

「課長1年目の教科書」を読んで

課長に昇進して半年が経ちました。

 

人事が決まった3月から4月頃は「課長」のキーワードでヒットする書籍を読み漁り、課長がどんな仕事をするのか、何を求められているのかを自分なりに整理してきました。そして、本に書かれている仕事に加えて自社特有の業務(ほとんど雑用)については社内マニュアルやベテラン課長、上司に教えていただきながら何となく分かってきた気になっています。ずっとエンジニアだったのでお金に関する知識が無く、経理に関する勉強に集中してきました。財務諸表も読めるようになってきました。

 

課の運営もそこそこできるようになってきて、自分の人生これで良いのだろうか?と考えるようになってきました。きっかけは部下の転職やお付き合いのあるエンジニアの転職でした。若手の転職なら気にしませんが、自分と変わらない40代エンジニアが自分のやりたいことのために頻繁に転職しているのを見て羨ましいと思うことがあります。課長に昇進してからというもの、マネジメントという名のもとに雑用と会議で一日が終わる毎日の繰り返し。半年前まではエンジニアとして前線で戦ってきた緊張感が無くなって物足りなさを感じてます。

 

部下の勤怠管理や社内通達を分かりやすく周知したり、eラーニングやらコンプライアンス自己学習を部下がやっていなければフォローしたり、部下の作成したドキュメントの査読・承認など、無駄と思えるような業務ばかり。

 

そんな時に「課長1年目の教科書」というタイトルの本を見つけました。似たようなタイトルの本はいくつも読んだので内容に期待はしていませんでしたが、”課長とはこうあるべき”な内容ではなく、出世するための考え方について書かれていて何度も読んでしまいました。

課長1年目の教科書

課長1年目の教科書

 

 

表紙をめくると「役員になれる人、なれない人は、これから10年の働き方で決まる。」と書かれていて、ちょっとした衝撃を受けました。賃金構造基本統計調査によると課長の数が減っているそうです。しかし取締役の数は減っていない。そこで著者は課長になった今、経営層を目指して欲しいと訴えかけています。課長は経営層を目指すための入り口なのだと。

 

これまで読んだ本は、経営者として成功した人が何をやってきたかが書かれているモノで、やっぱりマネはできない内容が多かったと思います。良い事書かれているのですが、それはあなただから出来るのですよ、、、という内容。こちらの本は人事コンサルタントが書かれているので一味違いました。

 

 

※以下はメモ。

 

 はじめに

・課長に昇進しているのであれば、経営層を目指すべきである。課長というポジションこそが会社という組織の中で、経営層を目指すための入り口である。それは会社人生で二度目の採用試験であり、課長から出世の本番が始まるのである。

 

 

第1章 課長というキャリアステップの意味

■8割は課長にすらなれない

・昔は年功序列で昇進していたが、現在では課長の数も減っていて課長にすらなれない人が増えている。厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」を見ると推移が分かる。

 

・統計では課長になれるのは同期のうち2割で、8割は課長になれない。そしてさらに部長は狭き門となっていて、課長になってからの10年が今後のキャリアを左右する。

 

■課長からの働き方が生涯賃金を左右する

 ・50歳~58歳にかけて、課長以上の役職者を役職から外す「役職定年」が実施される。この仕組みにより生涯賃金カーブは50歳前後がピークとなる。これは課長・部長のポストを若手に替えることで活性化を進める対策である。

自社でも部長から担当部長に降格するケースが増えてきてます。

こないだまで部長だった方と仕事をするのはちょっと気が引けますね。。

 

■課長ポストからのキャリア見直し

 ・課長の最大の敵はあきらめ感(キャリア・プラトー状態)

 ・転職するのも手であるが、社内での出世を目指すのも現実的な選択肢である。

 

■人事評価制度こそビジネスゲームのルール

 ・会社における人事評価制度のルールは課長以前、課長以後で2段式になっており、課長以後のルールでは、評価はあまり機能しない。課長から部長、役員への出世では、評価よりも評判が大事になる。

・出世という成果を出すためには、人事評価制度というビジネスルールを知ること。

 

■課長の仕事が持つ2つの「顔」と「権限」

 ・課長になると「予算の管理」と「人事査定」という権限が与えられる。

・課長には部下を動かし、上司を動かし、組織を動かすことで課としての成果を生み出すことが求められる。自分で現場の仕事をするのが好きで、有能な人ほど、課長の壁にぶつかる。

・プレイングマネージャになってしまうと、部下からは支持されても上司からの評価は下がるばかり。部長や役員のイスが遠ざかる。

経営層が評価する課長とは「できるヤツ」ではなく、「人を動かすのがうまい」「組織として結果をだしている」ヤツである。

課長1年目の時点で「自分は現場の実務の第一線から離れた、まったく新しい仕事に就いた」と気持ちを切り替えるべき。

自分はまだプレイングマネージャでやれると思っていましたが、現実はそんなに甘くなかったというのが、半年経っての感想でした。周りの課長を見渡すと、実務で優秀な成績を上げてきた人達が課長に昇進していて、同様に気持ちの切り替えに苦労している感じです。

 

■課長としての人付き合いの距離感を見極める

課長になって最初にやる仕事は「会議を開くこと」であり、決して「飲み」に行ってはいけない。その理由として、会議を開催するというのは一種の権限であり、上下関係をはっきりさせることができるメリットがある。特に、所属していた課でそのまま昇進した場合には、部下の気持ちを切り替えさせるためにも有効である。 

・課長になったとき、部下ではなく上司を誘って飲みにいくべき。上司の考え方やモノの見方を観察することができる機会であり、課長より上の役職の視点を持てるようになる。また「単純接触効果」による上司に気に入られる。

・時間の無駄になる会議は開催してはならず、課の目指すべきゴールが何なのかを共有する。

 

第2章 課長からの出世はこう変わる

 ■課長からの出世は評価よりも評判を意識する

 ・実力や人事評価よりも気にしなければいけないのは「評判」である。

すべての人事評価は過去を評価する。一方で課長よりも上のポジションへの出世は、会社の未来をその人に託すことであり、「印象」「評判」で左右される。

・ライバルに差をつけるために気を付けるポイント

 ①複数の人間で仕事をする/させる
  課長の評価は「課の評価」に他ならない。
  課全体の雰囲気が課長自身のマネジメントの結果として受け取られる。
  部下一人ひとりが優秀でもバラバラに行動していてはNG。
  あらゆる仕事に複数の人間を関与させるように工夫することが重要。
  課長自身が何をしているのか見える化すること。

 ⓶対面でコミュニケートする
  部長、役員が苦手なタイプでも密にコミュニケーションする。
  対面でホウ・レン・ソウすること。

 ③指示した作業についてのスピード重視
  
課長になったら指示した作業の途中経過を確認することを徹底。
  結果が出てからのチェックではやり直しに時間がかかる。
  スピード重視で途中確認をすることでコミュニケーションも増える。
  しかし、マイクロマネジメントにならないよう注意すること。

課長である自分の評判とは、自分が率いる課自体の評判である。

組織力を高める必要がある。

 

■行動評価で読み取れる課長以前・課長以後

一般社員の昇進基準は「卒業基準」
 ①チームワーク:周囲との協調性があるか
 ⓶顧客対応:仕事は正確にできているか
 ③自己研鑽:率先して行動し、主張できているか
 ④事務遂行:会議の場で発言できているか
 ⑤ビジネスマナー:時間通りに行動できているか

課長への昇進基準は「入学基準」
 ①リーダーシップ:率先して組織を率いることができているか
 顧客満足顧客満足度を高めるための行動ができているか
 ③組織専門力向上:結果の成否を問わず、組織の業績を自己の問題としているか
 ④事務処理:部下に適切な指示をだし、業務を遂行できているか
 ⑤人材育成:部下の行動特性に合わせた指導を行えているか。

 

 ・課長からさらに上のポジションへ出世する人が、大きく成長するタイミングは「部下を従業員だと理解できるようになるタイミング」である。

・部下を従業員だと思えない人は、役員になることはできない。そして、役員になれる可能性が無い人を、部長に出世させる経営者もいない

・部下が従業員に変わるということは、「会社のお金を自分のお金だと思って大切に使えるようになるか」である。自分が雇っていると思えるかどうかである。

・会社そのものを自分と一体視できるかどうかが、課長から更に上を目指す人に求められる心構え。

 

第3章 課長からのキャリア戦略

■会社のタイプで異なる「出世のルール」

 ・会社のタイプは「ロイヤリティ型」「環境適用型」「自立型」の3種類あり、出世のルールに違いがあるので、意識して行動すること。

・環境適用型・・・情勢の変化に敏感で、変化に対応できる人が昇進しやすい

・ロイヤリティ型・・・忠誠心のある人が昇進しやすい

・自立型・・・チャレンジングな人が昇進しやすい

 

 

■出世する人は、会社行事に出席し続ける

・会社のタイプがいずれであれ、評価の根本に本人の”人間的な魅力”が影響する。特に「経営層の仲間になれるかどうか」という視点が加わってくる課長以降の出世に向けては、自分自身を磨くことが不可欠である。

・立場や肩書を超えて本音を引き出す努力をしているかどうかによって、部下のモチベーションは大きく変わる。こうした能力は日頃の雑談の中で磨かれていく何気ないやりとりの中で相手に自分を印象付けられるかどうかが、実はその後の人生を左右する。

・マーク・グラノヴェター教授の「強い絆」「弱い絆」の理論。成功するためには2~3回しか会ったことのない「弱い絆」の人との繋がりの方が有効。社外の勉強会や普段話をしない人との交流が大事で、どれだけ自分を印象ずけられるかが勝負。

・社内で出世するためには、会社行事に参加し、「弱い絆」を多く形成すること。

 

■「つながり」から生まれる価値に気づく

 ・「スモールワールドネットワーク理論」と「6次のつながり」は、知り合いの知り合いをたどると世界中の人と繋がっているという考え方。

・深くは知らない人の数を増やしていくことで繋がりを広げてく。

・自分よりもコミュニケーションが上手な人を選べると良い。

大切なのは、実際にその繋がりをすぐに活用することではなく、自分を新しい6次のつながりの端っこにくっつけてもらうこと

 

■”自分の価値=人間的魅力”を高める方法

・体力や知力は年齢とともに落ちていくが、結晶性知能を伸ばすことで成長できる。

・知識や知恵、経験値、判断力などは60代ごろがピーク

・常に新しいことに興味を持ち、一歩を踏み出し続けること。

 

■社内プロフェッショナルを目指す

・課長に昇進した40歳前後からの10年の重要性と、その間に昇進しなければ社内での出世ルートという道から外れてしまったというのが現実。出世ルートから外れた場合、社内プロフェッショナルを目指すのも手である。

自社でも担当部長が該当すると思われる。

 

 

第4章 課長の心構えと部下へのリーダーシップ

■課長と部長は何が違うのか?

・課長に昇進して「できる課長」を目指している限り、部長や執行役員、常務への道は開かれにくいというのが現実。

・課長までの「卒業基準」では「仕事が速い人=できる人」という評価。

・しかし、課長以降の昇進に関しては、「優秀な課長が部長になるのではなく、部長の仕事にふさわしい人を部長に据える」という考え方。これを職務主義と呼ぶ。

 

■出世するほど頭も体力も使わなければならない

・先を読む力と明確でスピーディな意思決定力。そして、それを部下に伝え、ユニットを素早く動かせるリーダーシップ能力が重要で、出世すればするほど必要。

 

■「パーツ」としての働き方を捨てる

・優秀な課長のままでは上には立てない

・ビジネス書で模範的だとされるリーダーシップを持った経営層は少ない。

・経営層に近づき、意思決定が職務となり、リーダーシップを発揮する立場となるうちに、パーツとしての働きかたを捨て、自らを変える必要がある。

・重要なのは、意思決定力とユニットを素早く動かせるリーダーシップである。

部下を育て、モチベーションを高め、職務に意味を与えられる存在になれるかどうか。それができそうだと経営層に思わせることができるかどうかが勝負

 

■課長が発揮するべきリーダーシップとは?

・上司、部下という役割上のパワーバランスだけでチームがまとまることはなく、課長自身に魅力・引力がなければついていく気持ちにならない。

・完璧な上司になることはできない。偏りのあるリーダーシップでも十分。

 

■課長に求められる4つのリーダーシップ

パスゴール理論で下記4つに分類される。また、場合により使い分けが必要。

①指示命令型
⓶支援型
③参加型
④達成思考型

globis.jp

 

■リーダーシップを支える4つの力

①指示型=怒る力

⓶支援型=認める力

③参加型=楽しむ力

④達成型=魅せる力

 

 

■怒る力は、集団の方向性を正し、チームを引き締める

■認める力は、部下の意識と行動を高める

■楽しむ力で、部下の全力を引き出す

■魅せる力は、ゴールへの共感力を生む

■4つのリーダーシップ、4つの力の意味

・ 4つのリーダーシップと、4つの力の型。それぞれのうち、2つずつ身に着けることができれば、課長として頭一つ抜け出した存在になることができる。

 

第5章 上司を攻略するための4つの視点

■課長は上司を攻め落とさなければならない

・なりたて課長が心がけるポイントは、
 「会社がどのような成果を生み出していたいのか」
 「どんな成果を遂げたいのか」
 「どんな未来を目指しているのか」
 を理解して行動すること。そのためには、目の前の上司を攻略する事が重要。

上司のことを「仕事ができない」「考えが古い」という目で見てしまう優秀な人ほど、「なぜ自分が上司と違う考えなのか」を理解する必要がある

上司のご機嫌とりに意味はないと思っている人ほど、上司のご機嫌を取った方がよい、というのが出世の原則である

 

■会社タイプごとの上司攻略法

■上司と自分が持っている力のタイプを把握する

上司はライバルでもあり、上司からの嫉妬に対処する必要がある。そこで、下記4つの力を比較して、上司と自分の型(パターン)別に対処することを覚える必要がある。

・怒る力:間違った方向性を正す

・認める力:正しい方向性を示す

・楽しむ力:行動を生み出す

・魅せる力:ゴールへの共感を生む

 

上司と自分の力を比較すると4つのパターンに分類できる

・同族型:上司の得意とする力と自分の得意な力が重なるパターン

・相反型:上司と自分の得意な力が重ならないパターン

・極端型:上司の得意な力の偏りが大きく比較が難しいパターン

・劣化型:上司と自分の得意な力が重なっており、上司よりも強いパターン

 ・同族型では共感が得られやすい。しかし、上司を超えることが難しいため、別の力を身に着けると良い。

・相反型では共存がしやすい。しかし、溝ができると埋まらないため、表面的には絶対に対立してはいけない。そして、自分の部下たちを自分色に染めていこう。仮に上司型の部下がいる場合、将来の自分の敵になると思った方がよい

・極端型では自分にできないことをフォローしてくれる。しかし、認められづらい。

・劣化型では高い評価を得られやすい。しかし、嫉妬への対応が必要

 

■上司のタイプに応じた心構えと行動

■経営層に「顔」を売る

・経営層とのつながりを作る上で意識するポイントは、自分自身の商品価値を理解することで、マーケティング手法の「AISAS」がおススメ。

 Attention:存在を知る
 Interest:興味を持つ
 Search:検索する/評判を調べる
 Action:行動する/試してみる
 Share:評判を広める

・上司の上司と繋がるためには、最後のActionとShareに繋がるよう、その前の3つのステップで自分自身をマーケティングすることが重要。

・Action=上司の上司に自分の存在を知ってもらうためには、社内行事や会議などの場を活用する。

・Interest=上司の上司に興味を持ってもらうには、他の商品と何が違うのかを差別化する必要がある。

・Search=上司の上司による検索に耐える評判をつくることを意識する。

 

自分が他の課長と差別化できる能力とはなんだろうか??
自分の強みとか弱みを考えることはあっても、差別化要因として考えたことはなかったかもしれない。

一番差別化できると思っているのは、新しい事へのチャレンジだろうか?そして、達成させるためにベンダーや他部署を巻き込んで期限までに完遂させてきたことだと思う。

 

第6章 経験を増やすための行動

■人は年齢を重ねるほど新たな経験で成長する

・叱っても人は変わらない。自分で気づくことによってのみ、人は変われる。

・年齢を重ねるほど、新たな経験はかけがえのない財産となる。

・経験は人生の中で唯一増やしていけるもの。(体力・知力は落ちていく)

 

■セルフマネジメントアビリティを身につける

・自分自身の経験を増やすための5つの行動

①月収の5~10%を自分自身に投資する
アーリーアダプターになる
③「また始めてみる」こと・・・20代、30代を振り返って。
④仕事とは別の何かをやり遂げる
⑤人に何かを与える・・・毎日5%の時間を他の誰かのために使う。

 

■つながりの三角形をつくり、ネットワークの中心になる

 ・「弱い繋がり」を「強い繋がり」に変えるために、自分を含めた三角形をつくる。そのための3つの方法。

①人を紹介する
⓶紹介してもらう
③一緒に何かをする

・もっとも手っ取り早いのは一緒に何かをすること。できればビジネス関係が望ましい。より重要なのは、これらの方法を継続することである。

・成長し続けるためには新しいつながりが必ず必要になることを忘れない。